哲学
もしカントが子を作っていたなら、その行為は単なる個人的な選択ではなく、理性の自律性を根底から揺るがす事件として、彼の倫理哲学の権威を静かに、しかし不可逆的に失墜させていたであろう。カントの思想とは、理性が自然的傾向を統御しうるという理念を…
蛇という存在は、古来より嫉妬や執着と結びつけられてきた象徴である。聖書におけるエデンの蛇は、イブを誘惑して禁断の実を食べさせ、欲望と羨望を喚起した。ギリシア神話のメデューサは、アテナの嫉妬により蛇の髪を持つ怪物と化した。日本の安珍・清姫伝…
アビダルマ(特に部派仏教の阿毘達磨論書)では、現在のみを実在とし、過去・未来は抽象的に想定されるだけのものだ。時間は「流れるもの」ではなく、瞬間ごとに生起・滅尽する法の連鎖として説明されるのが一般的である。時間そのものを「独立した実体」と…
「出生」──それは、還らざる虚無の淵より、いかに抗おうとも強制的に連れ戻される悲劇の母胎である。 無垢なる魂が、「人生の拒否権」という最後の救済を、親という存在の無自覚なる掌によって断ち切られ、「環境」「能力」「人格」「性別」「容姿」「親の文…
【生と死】 「出生」とは、「人生の残酷さ」を軽視した「親」により「人生の拒否権」という名の『無のままでいる救済』を断絶された上、 「環境」 「能力」 「人格」 「性別」 「容姿」 「親の文化資本」 ___これら全ての『選択自由』までもを剥奪され、つい…
月魄(げっぱく)の降る夜。 咀嚼できない言葉たちが、 貴方の手の中で、未遂の果実として爆ぜる。 「刃」と「喉」は惹かれ合う。 皮膚の下に純粋な「動悸」を埋め込んだ。 猩紅(しょうこう)の大海。 道を束ねる野放図。 眼差しは、槍衾(やりぶすま)の方…
稀代のストーリー・テラー、「貴志祐介」は、言葉の網目に静かに佇み、決して掴みどころを許さない。彼の小説は、“読む”のではない。“沈潜するものだ”──人間の心の底__「業」の最奥へ。 彼の文体は、気取りの美を拒む。 しかしその抑制のなかにひそむ激情…
内奥を欠きし人々の貌(かお)は、虚空の裂け目に過ぎぬ。 されどその虚無は無垢ではない。偽装された欺瞞、飽食した無意志の鞘(さや)であり、光を奪われた魂の幽閉である。 思考を放棄したのではない。思考の奔流に抗えぬ愚かさを知りながら、敢えて静寂…
ドストエフスキー、それは若年の私にとって全身で打ち震えんほどの、嫌悪の対象であった。 それは、事物を眺める五感に染み渡る、涙を堪えての大袈裟な自己肯定。 紙面にわたって通奏する自己愛の肌触り。 極めつけは、「神に捧げる」などという拡張自我のエ…
三島由紀夫のパロディ。
竜胤の雫。沛然たる血の雨が、匂い立つ獣の眠れない夜を誘う。すべての膨れ足は一途な嘘から始まり、うねり狂う波状攻撃となった。戟叉の一撃。物悲しい絹を纏う首の無い白衣の聖像よ。プラーナの苗床にへばりつく死神が俺に授けた。科学が実益をもたらせど…
死体が皮を研いで歩いている。だが上から下睨め。もともと殺し殺された自我なのだから。緩慢なる飛び降り自殺にすら、長くて深い希望があるのだから。死は絶え間ない衝突となる。劣等感を拘泥するものは、雁字搦めの牢獄だ。良心とは何か。高貴な魂とは。激…
https://youtu.be/I9lHVEp_8Bc?si=Q_ogyGMqFtAHK1M2
不知が群がり未知と化す。 犯す徒花は、犯される空(くう)とならん。 爆ぜる恋歌、、静謐たる藍色。 赦す視点と交錯する彩。 夜弦の月と災厄。 絶えず駆動する精神。 霞がかった文字盤に紙背の威光。 臨終(いまわ)の際の雄叫び。 同情する夢。。シュプレ…
捏造する記憶。 爛れつづける虚偽。 根こそぎ掻っさらえ。 姿形とは、捉えようのないものだ。 失われる者どもよ。輪郭を取り戻せ。 打たれてなおも、朽ちぬ牙。 あたり構わずの咆哮。 まばゆき常闇を喰らえ。烈火に震えろ。 浮世などは所詮、盲点の寄り合わ…
悪とは何か。弱さから生じるすべてのものだ。 (ニーチェ) 【大衆の生態】 【大衆の良心】 純粋な「大衆」の中に、 「良心」という概念はない。 【犯罪者の良心】 【同情の害悪性】 【反逆の強者】 『参考文献』 【大衆の生態】 「大衆」とは、ひとりでは右往…
『』主導者 「」主人公 禁忌たる鬼狩りの刀身。 共鳴する幼き眼目。 因果律の波及する枢軸の女神へ。 「倦み慣れんこと童は。」 先天の宇宙より出し、輪廻の制空。 生殺の心得を握りし不条理の苦悩は、撞着の狭間で傲慢に拘泥する。 柳眉を逆立てし獰悪なる…
屈折の波動は、底辺を這いずる。 虚言の流儀は滅裂の自縛となる。 入魂を騙る敵対者。人倫に背くのだ。 おお、女豹の戦。 「尊き御髪を千切り合え。絡め取られてゆくでない。」 落伍者は、時代の洗礼を跳ね除け、宿敵を寵愛し、浅ましき誤謬を重ねる。 欺瞞…
象牙の塔より出でし、群青の架け橋。 危うき災禍の逃れ。 賛美の言説に胸を打ち、崇高な思想を形作る。 脳裏の散文的体系は、一家言を有機体に成熟させ、独善に閉塞する。 偶発なる詩物は、真髄を極めてはならない。 空虚な花弁を愛でるのだ。 唯一の真実で…
先人の知恵は身を結ぶだろう。 「清濁なる水の子よ、仮初の名を放棄せよ。」 鬱屈した不条理が手招く。 すべての重積を背負う覚悟は、不世出の神童すらも凌駕し、克己の上に胡座をかき、偽りの神を自縄の蟻地獄に誘う。 涙など、とうに朽ちた。 みなぎる暗黙…
序章−『醒めない悪夢』 『やっと二人きりになれたね。ここって、意外と広いんだね。まるで僕らの関係のようだな。。。たったく、照れんなって!!顔、赤くなってんぞ。そういえば、ミオと俺がはじめて会ったときのこと覚えてるか?道端でおばあさんが落とし…
『洗脳護身術』の基礎。人を意のままに操る方法【苫米地英人】 - らもり〜ぽめぇ 日本の学校では、合唱が頻繁に行われる。 合唱中は、人との物理的距離が近い。 そのため、恒常性維持機能(ホメオスタシス)の同調による内部表現の書き換えが起きる。 内部表…
参考文献(ほぼパクリ) 人を動かす「超」話し方トレーニング 苫米地英人 【トゥールミン・ロジック】 かつて、哲学者アリストテレスは、「三段論法」を提唱した。 大前提(A)と小前提(B)から結論(C)を導く論法のことだ。 有名な典型例を下述する。 ソ…
大衆の判断は、抽象的に説明されたときに間違う。 (マキャヴェリ) 【大衆と抽象化】 "大衆"とは、 「抽象的=理解不能="悪"」 という固定概念(ステレオタイプ)を元に、「悪と判断した個体」を共同体から躊躇なく排斥する腐れ外道の集産体である。 人は…
【人間性の剥奪】 子供には、決して質問をしてはならない。 特に、ものの仕組みや構造などの、抽象的な話を引き出してはならない。 「なぜ?」という無価値な問いを、子供から徹底的に剥奪することが肝心だ。 子供の視点を下げ、視野狭窄に陥れ、好奇心の欠…
「脳=思考=感覚=行動」。 物理的に後ろを振り向くと歩いた道がみえる。 この時、過去を見ている。 過去は存在しないため、無に意識がある。 無は抽象度が高い。 視点が高くなり、視野が広がっている。 脳漿を絞っている時より、ぼんやりとしている時の方…
人間は自由の刑に処されている (ジャン=ポール・サルトル) まさしく、社会の急所を貫く金言だ。 今回は、この言葉を自分なりに考えてみる。 【自由と被支配欲】 まず、人間の脳は考えることを嫌う。 脳のエネルギーは有限なため、なるべく節約するように…