参考文献(ほぼパクリ)
人を動かす「超」話し方トレーニング
【トゥルーミン・ロジック】
かつて、哲学者アリストテレスは、「三段論法」を提唱した。
大前提(A)と小前提(B)から結論(C)を導く論法のことだ。
有名な典型例を下述する。
完璧な論理にみえるだろう。
しかし、致命的な欠点がある。
不確定要素への対応力の弱さだ。
まず、大前提(A)について考えてみる。
ソクラテスが人間かどうかを証明する方法が存在しない。
突飛だが、人間の皮を被った別の生命体である可能性があるだろう。
例外を否定できないことにより、大前提(A)が成立しなくなってしまった。
次に、小前提(B)について考えてみよう。
「人間は死ぬ」ということだが、これも不老不死の技術を否定する科学的根拠がないので成立しない。
前述を踏まえると、大前提と小前提が絶対的に正しいと言い切れない時点で、結論が成立しないということが分かる。
三段論法は、論理性に欠けるといえるだろう。
机上の空論といっても過言ではない。
1960年代、三段論法を否定する形で、「トゥルーミン・ロジック」が生まれた。
- データ(事実)
- ワラント(根拠)
- クレーム(主張)
の基本的な三要素を使うことで、話に説得力を持たせる論理構築法だ。
一つの要素でも欠けると、論理として成立しなくなるので注意が必要だ。
具体例を書く。
あなたは、勉強を怠けてコンピュータゲームに耽る受験生だとする。
この時、母親に「ゲームばかりやってないで勉強しなさい」と釘を刺された。
母親の発言は、論理性に欠けている。
「ゲームばかりやっている」という事実と、勉強しないさい」という主張のみだ。
根拠が示されていない。
話に論理性を持たせるためには、「ゲームばかりやってるわね。勉強する時間が減ってしまうから勉強しなさい。」と言えばいい。
【BQR論理】
トゥルーミン・ロジックは、あくまで論理構築の基本であり、完璧とは程遠い。
提唱者は、トゥルーミン・ロジックの欠点を補完する方法として、BQR論理を提唱した。
BQR論理とは、
- バッキング(B論理)
- クォリファイア(Q論理)
- リザベーション(R論理)
の三つの要素だ。
バッキングとは、ワラント(根拠)を支える情報のことだ。
具体的に示すと説得力が増す。
クォリファイアとは、クレーム(主張)の精度の高さを示す情報のことだ。
可能であれば、〇〇%といった定量的なデータで示すと説得力が増す。
リザベーションとは、クレーム(主張)の例外を示す情報のことだ。
様々な例外を提示することで、反論を先回りして牽制することができる。
トゥルーミン・ロジックの基本を用いて話しても、相手が腑に落ちていないようであれば、BQR論理を適切に組み込めば良いだろう。
【プリマファシエ】
- (D)データ
- (W)ワラント
- (C)クレーム
- (B)バッキング
- (Q)クォリファイア
- (R)リザベーション
上記の要素がすべて成り立った論理のことを、プリマファシエという。
完璧に構築された論理だ。
当然だが、プリマファシエを完成させるためには、深い知識と教養が必要になる。
普段から情報収集をしておくと良いと思う。
【まとめ】
三段論法は、不確定要素への対応力が低いため、論理性に欠ける。
対して、トゥルーミン・ロジックの基本を用いれば論理的な話ができる。
そこに、BQR論理を組み込めば、論理が堅牢になり説得力が増す。
「DWCBQR」の全てが成り立った完璧な論理のことを「プリマファシエ」という。