洗脳《護身術》気功習得。。養生功の解説【苫米地英人】

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『洗脳護身術』の基礎。人を意のままに操る方法【苫米地英人】 - らもり〜ぽめぇ

気功には大きく分けて、

 

  • 秘伝功(ひでんこう)
  • 養生功(ようじょうこう)

 

のニ種類がある。

 

秘伝功は、本場中国でも一握りの術者しか操れない門外不出の秘術であり、一般人の我々がおいそれと伝授してもらうことはできない。

 

そのため、比較的習得が容易であり、一般的にも広まっている養生功」を実技解説する。

 

では、さっそく養生功における気及び、変性意識の生成法を説明していこう。

 

養生功は自らの体内の気の流れをよくするだけでなく、気の鍛錬に繋がり、ひいては変性意識を生成してくれる。

 

養生功の気の鍛錬法は、次の三つが有効だ。

 

  • 亀息法(きそくほう)
  • 站椿功(たんとうこう)
  • 行功(ぎょうこう)

 

それぞれ解説していく。

【亀息法】

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亀息法は、一定の呼吸を形作ることで、亀のように長生きするという、いわば健康法である。

 

気功法としてはごく一般的だが、疾患の予防にも役立つ。

 

方法はまず、あぐらの状態になり姿勢を正しく保つ。

 

あぐらが不得手という人は、尻の下に座布団を敷いて、できるだけ楽にするといい。

 

また、背もたれに背をつけなければ、椅子に座って行ってもいい。

 

ちなみに正座は血流が悪くなるので好ましくない。

 

次に、顎を引き、上半身を真っ直ぐにしたまま、全身をリラックスさせる。

 

肩の力を抜き、頭頂部がひっぱり上げられる感覚だ。

 

このとき、表情は少し微笑んだ感じで開眼、もしくは半眼にして、舌先を上あごの歯の裏に軽く触れておく。

 

さらに、丹田を両手で覆うように組む。

 

これが亀息法の基本姿勢である。

 

呼吸はすべて鼻からで、逆腹式呼吸を使う。

 

ゆっくりと、細く、深く、長く呼吸する。

 

吸気の際は、腹をへこませて横隔膜を持ち上げるような感覚、呼気は腹を膨らませて横隔膜を下げていくような感覚だ。

 

慣れてきたら今度は、吸気、停止、呼気、停止と、呼吸ごとに一拍の間を置く。

 

吸気を少しずつ長くし、呼吸を少しずつ短くしていくとさらに効果的だ。

 

亀息法は、できるだけゆっくり行う。

 

一分の間に2~5回を目安に、それこそ自分が亀になったような気持ちで、ゆっくりと行う。

 

呼吸の回数が少なければ少ないほど有効だが、あまり苦しくなるようだと身体に悪影響を及ぼすので、あくまでも楽な範囲で続ける。

 

呼吸の際は、意識を下丹田に集中しておく。

 

すると、次第に下丹田が熱くなり、変性意識が生成される。

 

この呼吸法は、起床時と就寝前に各15~30分ぐらいを目安に行うといいだろう。

 

疲労回復効果が見込めるので、疲れを取りたいときにもおすすめだ。

 

また、気功の練習中は、変性意識状態に陥るため、頭がぼんやりとしがちである。

 

そのため練習を終えるときは、目を見開いて眼球を左右に回転させ、両手を軽くこすり合わせてからそのまま顔と頭を拭うと、すっきりするだろう。

 

加えて気が放出されれば、唾が大量に出るようになる。

 

この唾は身体にとてもよいので、決して吐き出さず、丹田に貯めるイメージで飲み込む。

 

これは、下述するニつの気功法でも同じだ。

 

【站椿功】

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站椿功は、別名「立禅」ともいい、中国武術功の鍛錬法としても有名な気功法である。

 

基本姿勢はまず、立った状態で足を肩幅くらいに開いて、つま先は八の字ではなく平行にする。

 

続いて、膝を軽く曲げる。

 

このとき上から見て、膝がつま先よりも前に出ないようにするのがポイントだ。

 

次に、両手を開いて胸の高さまで上げ、大木を抱えるような感じで円を作る。

 

左右の指先はくっ付けず、20~30センチくらい離す。

 

さらに肩をリラックスさせて、肛門を閉め、腹を軽くへこまし、足の指は地面を掴むような感覚で曲げる。

 

鷲爪にするのだ。

 

そして表情や舌先を亀息法のときと同じようにする。

 

呼吸はすべて鼻だけで行うが、亀息法と違って、通常の腹式呼吸で問題ない。

 

ただし、自分の呼吸に耳を傾け、回数を数えるようにする。

 

呼吸の際の意識は、眉間に集中させて忘我を目標とする。

 

何も考えないように、ただ呆然と眉間から正面を見るような感覚がいい。

 

慣れてくると、次第に気が身体中を循環していくのが分かるだろう。

 

円形に保っている腕に沿うようにして、気の塊が循環するのを感じるはずだ。

 

左右の指先は離れているのに、気が指先から指先へと伝わっていく感覚になる。

 

最終的には、気の塊の循環に合わせて、身体ごと動き出すことがある。

 

站椿功は、一回当たり30分~60分を目安に行うといい。

 

ただ、この気功法は養成功の中でも肉体的に疲れる部類なので、できるだけ無理をしないように心掛ける。

 

特に腕の疲労は激しいので、疲れた時点で両腕を円形にたわめたまま、両腰に触れないように気を付けながら下ろし、疲れを一時的に取って、もとの胸の高さに戻すといい。

 

年齢や自分の体力に合わせて、膝の角度を変えてもいいだろう。

 

ただし、膝は必ずつま先より前に出ないように注意する。

 

逆に体力に自信のある人は、膝を直角に曲げて、椅子に座っているような感覚で腰を落とすと効果的だ。

 

站椿功を終えるときは、亀息法同様に、両手をこすり合わせて顔と頭を拭い、さらに全身を拭うといい。

 

腿と腰は疲れているはずなので念入りに行い、最後に筋肉をほぐすように軽く叩くといい。

 

【行功】

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行功は、亀息法と站椿功とは違い、歩きながら行う気功法である。

 

これは練習時間を設けずに外出や通勤通学時など、日常に取り入れると効果的だ。

 

まずは、全身をリラックスさせながら歩く。

 

このとき必ず、右足から歩き始める。

 

次に、右足を踏み込む際に呼気を2回行い、左足を踏み込む際に吸い込んだ息を一気に吐いて、一瞬呼吸を止める。

 

行功のコツは、右足の踵が地面に着く瞬間に一回目の呼気を行い、つま先が接地するときにニ回目の呼気を行うことだ。

 

呼気は、左足の踵が接地する瞬間に息を吐き、つま先が接地したら呼吸を停止する。

 

最初は呼吸に合わせて歩くのは難しいだろうが、一日中意識して練習すれば慣れてくる。

 

歩行の際は、足裏のツボを刺激するように意識し、拳は綿を掴むくらいの感覚で軽く握って、元気よく腕を振る。

 

すると次第に身体の感覚が軽くなって、気の循環もよくなってくる。

 

以上、三つの気功法を毎日欠かさず練習していると、強烈な変性意識が生成されるはずだ。

 

そして、これまで見えなかった気の流れが、変性意識のもとで見られるようになるだろう。