参考文献(そこそこパクリ)
パーソナリティ障害
いかに接し、どう克服するか 岡田尊司
【パーソナリティ障害(旧人格障害)】
西洋精神医学におけるパーソナリティ障害の概念では、背徳狂(モラル・インサニティ)という原型に遡ることができる。
自然な感情や情愛、性癖、気質、習慣、道徳的な素質、本能的な衝動の病的な倒錯のことだ。
現在日本では、偏った思考と行動の様式により、普遍的な性格特性が顕著になり、家庭生活や社会生活において支障をきたす精神障害だと言われている。
言い換えると、誰もが抱えている人格の問題が顕著になった状態だ。
精神医学の世界では、程度の差こそあれ誰もが鬱病を抱えていると言われているが、パーソナリティ障害でも同様に、誰にとっても身近な問題だ。
パーソナリティ障害には、いくつかタイプがある。
- 境界性パーソナリティ障害
- 自己愛性パーソナリティ障害
- 演技性パーソナリティ障害
- 反社会性パーソナリティ障害
- 妄想性パーソーナリティ障害
- 統合失調型パーソナリティ障害
- 統合失調質パーソナリティ障害
- 回避性パーソナリティ障害
- 依存性パーソナリティ障害
- 強迫性パーソナリティ障害
どのタイプにも、
- 自己愛の障害
- 基本的信頼感の欠如(基底欠損)
- 両極端な思考と感情の動き(白黒思考)
- 承認欲求不満
- 根本的な安心感不足
などの共通の症状がみられる。
そして彼らは、これらの症状を改善・補填するために独特の行動様式を発達させる。
それは、生存戦略の中で培われたものであるだけに、魅力的な側面があるが、同時に危うい側面も孕んでいる。
これが、パーソナリティ障害の実態だ。
【自己愛性人格障害】
親などの周囲の人に承認や肯定をされない環境に長くいたことで、
- 根拠もなく自分は特別であり優れているという誇大なセルフイメージを持つ。
- 過剰な賞賛や承認を求める。
- 過小評価をされたと感じると傷ついて嫉妬したり怒ったりする。
- 共感性が欠如している。
- 対人関係において不当に相手を利用する。
- 尊大で傲慢な態度や行動をとる。
などの目立った症状を有する。
【安直な自己宣伝】
自己愛性人格障害の彼らは、日常的に《天才》や《一流》などの言葉を組み込んで自己宣伝を積極的に行うことで、承認欲求を充足させようとする。
実際に優れた才能を内包していることも非常に多いが、周囲から嫌われ、否定されてしまう。。。あまり望んだ承認を得られないのだ。
一般的に、嫌われてしまう人は、明示で自己宣伝をしてしまうことが多い。
アピールの裏に承認欲求を察知すると、どうしても嫌悪感を抱いてしまう人は少なくない。
対して、好かれる人の多くは「暗示で自己宣伝を行うこと」を実践している。
尊大さや承認欲求が隠れるため、高く評価されやすいことを知っているからだ。
自己愛性人格障害の人は、自分本位の思考に支配されているので、暗示で自己宣伝をする余裕や発想が瞬間的に麻痺することが極めて多い。
安直な自己宣伝をしてしまい、満足な評価を得られないことで、後悔を繰り返し、承認欲求をさらに膨らませ、負のスパイラルに陥る。
【まとめ】
パーソナリティ障害とは、主に後天的な要因により、誰もが持っている人格の問題が肥大化することで発症する精神障害であり、さまざまなタイプ分けがされる。
その中の自己愛性人格障害は、親などの周囲の人に承認や肯定をされない環境に長くいたことで、
- 根拠もなく自分は特別であり優れているという誇大なセルフイメージを持つ。
- 過剰な賞賛や承認を求める。
- 過小評価をされたと感じると傷ついて嫉妬したり怒ったりする。
- 共感性が欠如している。
- 対人関係において不当に相手を利用する。
- 尊大で傲慢な態度や行動をとる。
などの目立った症状を有する人のことだ。