精密コマ「still-gray」は、市販の手回しコマの中でピカイチの持久力だ。
かつて、世界一回ることで有名になった精密コマの「クロノス」は、長くても10分程度で止まる。
手回しで10分回ることは割と凄いのだが、still-grayは、その記録を容易に越す。
最長で、約20分間も回る。
弱い力で回しても10分以上だ。
なぜ、そんなに回るのか?
セラミックのボールがベアリング駆動して、「フリー回転」を実現しているからだ。
スタジアム(土俵)との摩擦係数を抑えることができるのである。
ちなみに、昔流行ったメタルファイトベイブレードの持久力最強ベイも、ボトムがフリー回転するベアリング駆動のものだ。
その名を「ファントムオリオンB:D 」という。
B:Dとは、ベアリング・ドライブのことだ。
still-grayとファントムオリオンB:Dの主な共通点は、もうひとつある。
それは、回転時の遠心力を高める構造だ。
中心部と外周部で、重量の異なる材質を用いることで、安定した回転を実現している。
抜群の安定感により、途中から完全に止まってみえるようになる。
映像で撮っても、注視しないと写真にしか見えないほどである。
また、回転力が尽きるその瞬間まで、安定した姿勢をキープすることも多い。
普通のコマなら、ぐらついてから倒れるところ、still-grayは、急にストンと倒れるのだ。
なんて美しいんだろう。